ひとつ、屋根の下で



なおも食い下がろうとする私に、瀬野くんは再び大きなため息をこぼして。



「そこまで頑なに拒否されると逆に気分悪いんだけど」


グイッと私の手を掴んで、引っ張るように歩き出した。


「ちょっ……!」



いきなり掴まれた手は思った以上に強い力で捕らわれていて、振りほどくこともできず、瀬野くんの言葉に言い返すこともできずに私はただ、早足に歩く瀬野くんの後ろをついていくことしかできなかった。




そうして半ば引っ張られながら歩くこと約10分、ようやく駅に辿りつく。


住宅地を抜け、再び賑やかな人混みがあらわれた先にあるこの駅は、比較的大きな駅だ。


駅の構内に入り、改札に辿りつくと、ようやく瀬野くんが立ち止まってくれる。


私より背が高い瀬野くんの早足についていくのは相当体力を使った。


少し息が上がっているのを感じながら、振り返った瀬野くんを見上げた。