ひとつ、屋根の下で



『今どこ?』


「え?歩いて駅に向かってるとこだけど」


『じゃあその駅で待ってろ』


「え?大丈夫だよ。もう駅着くし」



もしかして迎えにきてくれるつもりなのかと思って、慌てて大丈夫と何度も言ったけれど、結局凌に押し切られてしまい、今向かっている駅で凌を待つことになってしまった。


……いつから凌はこんなに過保護になったのかなぁ、なんて思う。



だけど、凌と話している間に何度も涙が出てきそうになっていた。


優しさをくれる相手。


安心できる相手。


心が弱ってると本当に、すぐ涙腺が刺激されて困る。



「……彼氏?」


電話を切ると、瀬野くんがそう訊いてきて私はふるふると首を横に振った。


すると瀬野くんは、それ以上追及するでもなく、ふーん、とだけ相槌を打った。