ひとつ、屋根の下で



「……用がないなら行くけど」


「えっと、今日は北岡さんと一緒じゃないの……?」


どうしても本当に言いたいことは言えなくて、だけど何かいわなきゃ、という義務感から訊いても仕方ないようなことをきいてしまった。


なんでそんなこと訊くんだって思うよね!


お前には関係ないだろ、とか言われるんだよねきっと!



「あー、今日はこれで上がりだから、もう帰った」



「あ、そうなんだ……、って、えっ!?」



普通に会話が成立したことに驚いて目を瞠ると、瀬野くんは眉を顰める。



「何驚いてんだよ」


「あ、ううん……。なんでもない」


「話ってそれだけかよ。じゃあ俺行くわ」



呆れたようにそう言って、瀬野くんはくるりと踵を返した。



えっ!?


ちょっと待って、そんなことのために呼びとめたわけじゃない!



「せ、瀬野くん!!」


「なんだよ、まだ何かあんの」


瀬野くんは、不機嫌そうに眉を顰めて振り返った。