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「お疲れさまでしたー」
撮影が終わり着替えを済ませ、まだ中にいたモデル2人に挨拶をしてロッカールームを出る。
すると、丁度廊下を通っていたらしい瀬野くんとばったり出くわしてしまう。
……あの後。
瀬野くんに啖呵を切った後、私は漸く撮影に集中できた。
北岡さんからも、笑顔でオッケーをもらえたし、他のモデルふたりとも、いい写真が撮れたよねって笑いあえるくらいに、納得のいく出来だった。
……なんだか癪だけど、私が調子を取り戻せたのは、あのとき瀬野くんが私をちゃんと叱ってくれたから。
「帰んの?おつかれ」
「っ!ま、待って!」
あっさり私の横を通りぬけようとした瀬野くんを、私は思わず呼びとめていた。
瀬野くんは驚いたように振り返る。
「何?」
「あ、あの……」
ありがとう。
言いたいことはそれだけなのに、その言葉はなかなか喉から先に進んでくれない。
瀬野くんは怪訝そうな顔で私を見ていた。
言いたいことがあるならさっさと言えよ、って、顔にそう書いてある。


