ひとつ、屋根の下で


「馬鹿にするのもいい加減にしてよ!私、瀬野くんの言うとおりだと思ったよ。プロ失格だし、カメラの前に立つ資格もないかもしれない。

だけど!!
だからってああそうですかって諦められるわけないでしょうが!

泣くわけない!
これくらいで泣いてたらまた瀬野くんにいじめられるもん!!
しっかり見ててよ!?私だってちっぽけでもプライドくらい持ってるんだから!

北岡さん、大丈夫です!ご迷惑お掛けしました!復活ですっ!」



一気に捲(まく)し立て、持っていた紙コップの中身をゴクッと飲み干し、すっくと立ちあがった。


その勢いに、北岡さんも、他のモデルさんもスタッフさんも驚いていたけど、そんなの構っていられない。


瀬野くんの言葉はほとんど的を射ていたけど、ひとつだけ、絶対に許せない言葉があった。



「……もう二度と、言わせないんだから」



軽い気持ちでモデルやってる、なんて。


女優の足がかりになればいい、とは思ってるけど。


それは本当だけど、この仕事だって私は好きだ。


この仕事を軽んじたことなんて一度もない。




絶対ない。


あり得ない!