「沙波ちゃん、大丈夫?」
休憩中、椅子に座ってお茶を飲んでいた私のところに北岡さんが心配そうな表情を浮かべて近づいてきてくれた。
「……すいません。せっかくの表紙なのに」
なんだかまっすぐ北岡さんの目が見られなくて、私は紙コップに入ったお茶に映る自分を見つめながら答えた。
仕事に私情を持ち込むなんて、プロ失格だよ……。
水面にうつる私の目は、とてもじゃないけど表紙の話を受けて喜びに満ち溢れてる目、ではなかった。
雑誌の表紙に出ていいのかと思ってしまうほど、情けなく不安げな瞳をしていた。
自分でさえわかるんだ。
きっと北岡さんには、私が今弱ってることなんてバレバレだろう。
「皆さんに迷惑かけちゃって……、本当にごめんなさい」
私の言葉に、北岡さんは、大丈夫だよ、と笑う。
隣で座って休憩していたモデルの2人も、気にしないでと優しく言ってくれた。
……ここでも、そうなんだ。
私が悪いのに、だれも私を責めたりしない。
それが、嬉しいと思う一方で、辛かった。
謝りたいのに、それさえ許してくれないような気がして。


