ひとつ、屋根の下で




ポタポタと頬を伝い、顎の淵から滴り落ちていく涙。



いつのまに、私の中でこんなにも凌の存在が大きくなっていたんだろう。



裂けてしまいそうなほどに胸が痛むのは、どうして。





……もしかして、私は凌に惹かれているのだろうか。



「っ」



そんな考えに至った瞬間、心が失恋の痛みを思い出してか、拒否反応を示してギュッと縮こまった。


思わず、強く唇を噛む。



……あんなにも簡単に終わってしまう、簡単に切り捨てられてしまうような気持ちが恋だというのなら、もう二度とそんなもの、いらない。


この想いは恋なんかじゃなくていいと思った。




……なんて、やっぱりこれもただの強がりなのかもしれないけど。


凌を好きになることで、また傷付くのが怖いだけなのかもしれない。




一体私は、どうしたらいいの。





何度心の中でその問いを繰り返しても、その答えを探し当てることは出来なかった。