ひとつ、屋根の下で



「……そ、だよね。ごめん、変なこと訊いて」



ショックすぎて。


心が痛いと叫ぶ悲鳴に、押しつぶされてしまいそうだった。



「ごめん。お腹すいてないから、私ご飯いいや」



掠れた声で早口にそう言って、私は凌の部屋のドアに向かった。



一刻も早くひとりになりたかった。


早くひとりになって、涙で痛みを全部流してしまいたかった。


……凌の前じゃ泣けないって、頑なにそう思った。


ここで泣いたら、凌との関係も変わってしまう気がするから。


凌に抱きしめられてるときだけは安心できて、凌の隣だけが今の私には大切な場所で。


その場所を失われてしまったら今度こそ私の心は死んでしまう、なんて本気で思うくらいなの。


手放すわけにはいかなかった。