意識してしまうと、そんな言葉も直接心臓に響く。
凌の声は、私の心にすごく深く沁みてくるんだ。
そんな心地よさに浸っていたら、
「お前、まだ戸倉が好きなんだろ?」
……苦し気な声色の凌の言葉が、耳朶(じだ)に触れた。
その言葉に、意図せずとも身体が一瞬で硬直する。
せっかく凌の腕の中で安心して身体を預けていたのに、手に入れたと思った心地良さと安心感は、凌のそんな一言で簡単に壊れてしまった。
身体だけではなく心も一緒に竦んだのを感じて、私は嫌でも思い知らされる。
……凌の言うとおり、先輩への想いが、まだ消えてないって。


