ひとつ、屋根の下で



────瞬間。


グイッと身体が大きく傾いた。


「っ!」


私の身体を抱き寄せた、いつもとは違う、強い力。


だけど、決して乱暴なんかじゃなくて。


私の体に回る凌の腕が、泣きたいくらいに安心感を与えてくれた。



この温かさを、優しさを、私だけに向いてる、凌の気持ちを。


……欲しいと、思った。


手放したくないと思った。



凌はいつも、トキメキのためだと言って私に触れてくる。


今まではそのセリフの意味なんて深く考えてなかったけど、それって、凌は私にドキドキしてくれてるってこと?



「……不意うちすぎるだろ」


耳元で、吐息と一緒に吐き出された言葉。