そして、ふたつめ。
「沙波ー、お迎えだよー」
クラスメイトの声に、私はガタンと席を立った。
「また明日ね」
声を掛けてくれたクラスメイトに「また明日」と返し、教室のドアを出たすぐのところで待っていてくれた凌のもとに駆け寄った。
「おまたせ」
「おー」
千依に先輩との関係を知られてしまってからというもの、なぜか凌は毎日帰りに私の教室まで迎えに来てくれるようになった。
凌の方が授業が早く終わることが多いのに、いつも待ってくれている。
私が来たのを確認すると、凌はゆっくり歩き出した。
その隣を歩く私の歩調に合わせてくれてるんだって気付いたのは、つい最近。
「今日も仲良しだね」
「ねー」
すれ違ったクラスメイトが、私たちを見てそう言ったのが聞こえた。
……私と凌が、当たり前に恋人同士に見られてること。
それが、もうひとつの変化。