ひとつ、屋根の下で



ぱちぱちと瞬きを繰り返してようやく、私の前に人が立ちふさがっているのだと気付く。


そして、それが先輩だということにも。



「ま、雅季……!?」



驚いているのは、私だけじゃなくて、強気美女さんは私よりずっと目を大きく見開いて。


思い切り振り抜いた自分の手を、もう一方の手で信じられない、という表情でかばうように包んでいた。



……もしかしなくても。


私を叩くはずだった掌は、先輩に命中した……?



先輩、私のこと、かばってくれたの……?




「雅季、ごめん!痛かったよね……っ」


「触んないで?」



叩いてしまった先輩の頬に触れようとした強気美女さんの手を、先輩はやんわりと払いのけた。