ひとつ、屋根の下で


私は、いつもと同じように彼女を説得しようとした。


今までの先輩のオトモダチさんは、ある程度時間を費やせば泣く・喚く・叫ぶはあれど、なんとか先輩から離れてくれた。


……だけど。



今回の強気美女は、本当に、ひいてくれなかった。



綺麗に整えられた眉がどんどんつり上がっていく。


私の言葉は全部気に入らないようだった。


興奮してきたのか、声のトーンも上がっていき、私に投げる言葉も遠慮がなくなって、荒々しいものに変わる。



────あんたみたいなどこにでもいる女と私は違うのよ。


なんて、素で言っちゃう彼女の自信に、呆れるのも通り越して感嘆さえ覚えた。




「雅季が私を手放せるわけないでしょ!?」


「あの、そう言われてもですね」


「そもそも、どうしてあんたが私に雅季と別れろなんて言うわけ?

……あなたの方こそ、雅季と関係持ってるんじゃないの?」



「だから、先輩にはちゃんとした彼女が……って、えええっ!?私!?」



強気美女の言葉をすぐには飲み込めず、理解したときにはすでに素っ頓狂な声が口から出ていた。