ひとつ、屋根の下で



「……はあ」


「何そのため息!」


「だって」



だって、こんな自分の今までの女関係を他人に清算させるような男。


そんな男が、親友の彼氏で。


そんな男のために、私の大事な放課後がつぶれてるなんて。



「……やるせないーー」



はあ、と再び、ため息。



すると、ぽん、と頭に軽く触れた先輩の掌。



「……なんですか」


「え?なんか疲れてるみたいだったから」



なでなで、と頭を撫でてくる先輩。


それと一緒に、ニコ、と笑みを深めて。



だ、誰のせいで疲れてると思って……!



そう、思ったけど。



「……っ」



夕日に照らされた先輩の笑顔が、眩しくて。


私はどうしてか、頭を撫でる優しい手を、振り払うことができなかった。