ひとつ、屋根の下で



「はあ……」


思わず、ため息。


それでも、今日の美少女は今までで一番楽に別れてくれた。


彼女で3人目だけど、前の二人は泣き叫んで去っていったもん。



「……行った?」


教室のドアからひょこっと顔を出した先輩に、私はもう一度大きなため息を吐いた。


「行きましたよ。まったく、少しくらい自分でどうにかしようって思わないんですか?」


「思わない」


きっぱり言い切った先輩。


……ほんとヒドイなこの人!



「でも、ありがとう。沙波ちゃん」


はい、今日お礼、と差し出されたのはオレンジの缶ジュース。


こんなジュース1本で別れさせ役だなんて割に合わないと思うけど、つい、そのジュースに手を伸ばしてしまう。



「あとひとりだね」


オレンジジュースをゴクッと流し込んだ私の横で、先輩がニコニコしながらそう言う。