ひとつ、屋根の下で



「……話が、あるの」



掠れた声で紡がれた言葉。




……ああ。


千依は、知ってるんだ。


私だって、伊達に千依の親友やってないもん。


それくらい、千依の態度でわかるよ。


……戸倉先輩との関係がバレてしまった今、もう、親友、ではいられなくなるのかもしれないけど。



「……わかった。放課後でいい?」


きっと沢山責められて、泣かれるんだろう。


傷付いた親友の姿を、嫌というほど見せられるんだろう。



私の言葉にコクリと頷いた千依。



私が「どうして」と訊かなかったことで、私が戸倉先輩との浮気がばれてることに気付いてるって、千依には充分分かったと思う。




「……ごめんね、沙波」




私から視線を外し、前を向く間際、呟かれた言葉。



……ごめん、って。



それは、私の言うべき言葉じゃないんだろうか。


どういう意図で千依がその言葉を吐いたのか。


私には、分からなかった。