ひとつ、屋根の下で



私の話を聞いてるのかいないのか、再びポンと手を打ちにっこり笑ってこちらを見た凌。


……その笑顔は何かを企んでるって、私も学んだんだから!


何か言われる前に退散しよう、そう思って逃走を試みた。



「あ、そっか。わかった?解決したんだねよかった。じゃあ私はこれで」


「ハイ逃げない」


くるりと方向転換をしてドアノブに手を伸ばしたその手はがっちり掴まれた。


「っ!!」



逃走失敗!!


しかも、後ろから私に被さるような格好で手首を捕えた凌。


ち、近いって!!



私は凌の腕から逃れようと身体を捩った。


後ろからすっぽりかぶさっていた身体を離すことには成功したけど、手首は以前掴まれたままで。