ひとつ、屋根の下で


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「ただいま」


帰ってきて家のドアを開けると、リビングからひょっこり凌が顔を出して、「おかえり」って言ってくれるのが日常。



私の通う芸能科は大体みっちり7限まで授業が入っているから、授業を終えて家に着くのは17時ごろだけど。


凌がいる漫画科はそのへんルーズみたいで、大抵私より早く家に着いている。



「……ただいまーっ」



いつもなら返事をくれる凌の反応がなくて、私はもういちど返事を求めて声を張り上げてみたけど、シーンという静寂が返ってきただけだった。


え?


なんでなんで?


ドアのカギは開いてたし、いるんだよね?



そう思いながら、リビングのドアを開けた。


……瞬間。


「!!?」