ひとつ、屋根の下で



「……ホントに、キスしてないの」


先輩の言葉に、力いっぱい首を縦に振る。


キスなんか。


先輩以外とするわけない。


考えらんない。



私の必死さが伝わったのか、先輩は安心したように息を吐いて。


ギュッと、もう一度私を抱きしめてくれた。



「……好きだよ」


耳元で囁かれた甘い言葉に、キュンっと心臓が鳴る。



「私も」



大好き────。




やっぱり、先輩のことしか好きになれない。


あの日、凌にドキドキしたのはきっと、可愛い、の言葉に自信をもらえて、嬉しかったから。


きっと、それだけだ。