「……ん?沙波、誰かと会ってた?」
ふと、抱き合っていた身体を離して、千依が首をかしげつつそう訊いてきた。
そんな千依の言葉に私は一瞬ドキリとしたけれど、すぐにとぼけるように笑って見せる。
「何言ってんのー!いつも通り、先生の手伝いだよっ!」
毎週、こうやって親友にも嘘を吐いて。
──私の罪が、増えていく。
「ていうか千依、今日午後撮影だって言ってなかった?」
さりげなく話題を変え席に着いて、千依もそれに倣うように自分の椅子に腰を下ろす。
私の席は千依のすぐ後ろ。
千依は椅子に座ると、身体の向きを後ろに向ける。
サラリと、肩から艶やかな髪が滑り落ちた。
「それは明日の話!今日はねぇ、放課後デートなんだ!」
楽しみ!と表情をほころばせる千依。
……ズキンと、鈍い痛みに軋む心。


