お星さまに願いを!

そう思っていたら、

「あぁ、この部屋はね、母さんの所有物なんだ。昔は、母さんと二人でここに住んでいたんだけど、母さんは仕事の関係で住まいを移ることになって、僕に譲ってくれたんだよ。」

「え、お母さんと二人って、翔平··お父さんは?···あっ。」

しまった。

つい、勢いで聞いてしまった。

それを察した翔平は、優しく笑った。

「楓子ちゃん、気にしなくっていいんだよ?父さんは僕が小さい頃に病気で亡くなったんだ。それからは母さんが女で一つで育ててくれた。色々大変だった時期もあったけど、ちゃんと今があるからね。母さんには、すごく感謝してるよ。」