「はい、楓子ちゃん、どうぞ。」 私の前にティーカップが置かれた。 翔平が淹れてくれたお茶は、柑橘系の爽やかな香りのする紅茶だった。 「すごくいい匂い・・・。」 「でしょ!?大人楓子ちゃんは、この紅茶が好きなんだよ。夕ご飯の後は、いつも僕がこの紅茶を入れて一緒に飲むんだよ。」 翔平は嬉しそうに言って、私の隣に腰かけた。 どうやら、この紅茶が二人の日課その3、ってことらしい。 『大人楓子』の好きな味は、とてもさっぱりとしていて、 17歳の私も好きな味だった。