私は、ポケットに忍ばせてあるものを握りしめる。 「そうだ、翔平?・・・お近づきのしるしに、これあげるね。」 私はそう言って翔平の手を掴み、掌にそれを乗せた。 そう、イチゴミルクの飴・・・。 翔平は目をぱちくりとさせている。けど、 「ありがとう、僕、これ大好きなんだぁ~。」 そう言って、私に、目を細めて笑いかけた。 私が大好きな、あの翔平の笑顔だった。