「あの、大丈夫?」 男の子は、心配そうな顔をして私に近づいてきた。 私はハッとして答える。 「あぁ、うん、大丈夫・・・・。」 何て言ったらいいの? どうしよう、信じられない。 目の前にいるのは、本当に・・・翔平なの? 「あのー、僕、この近くに越してきたばかりで、東山高校までの道、まだ覚えれてないんです。良かったら、一緒に行ってもらえたらなぁって・・。」 男の子はそう言って、くしゃりと笑った。 私は――― この笑顔を知っている。