私は暫くクスノキを眺めてから家の方向へと足を進めた。


翔平と『大人楓子』が暮らすはずのマンションはこの近くだけど


私はそこへは行かない。



行かなくても



時が来れば『運命』が翔平へと導いてくれる



そう信じて―――――