あの公園だ。 私は無意識にクスノキの方へ足を進めていた。 あの日、翔平と並んで見つめたクスノキよりも、背が低い。 8年、か・・・。 私は、そっと、クスノキの幹に手を触れた。 ここが、私と翔平の『特別な場所』になるんだよね? また寂しさが込み上げてきたけど、 私は、翔平との約束をもう一度思い出し、「よし!」と自分に喝を入れた。 翔平とは必ず逢える! だから、逢えるその時は 笑っている自分でいたい! 私は 『今』の私を、精一杯生きていこう――――― そう決めた。