程なくして、私と翔平は、公園に着いた。

いつも素通りしていたけど、この公園は通学路の脇にある。


ここが、翔平の言う『特別な場所』なの?


私は翔平に手を引かれ、公園内に入った。

公園の真ん中には、一本の大きなクスノキが立っていた。

翔平は、そのクスノキの前で立ち止まる。



「ここが、僕と楓子ちゃんの特別な場所だよ。」



翔平はクスノキを見上げながら言った。