帰りのバスに揺られながら眺める夕日は、なんだか楽しい時間の終わりを告げているみたいで、切なかった。 バスを降りる頃には周りは薄暗かった。 私たちは、並んでゆっくりと帰り道を歩く。 「・・・楓子ちゃん、一か所寄り道してもいい?」 翔平が突然そう言った。 「・・うん。いいよ?どこに寄るの?」 私が聞くと、翔平は目を細めた。 「特別な場所。」 特別な場所・・・? 一体、どこなんだろう。