想い出、そばに(仮)




ずるい。

やっぱり翔ちゃんはずるい。

心臓が壊れちゃいそう。


「ね、返事は?」


翔ちゃんが囁く。



とっさに声が出せなくて、私は頷くことしかできなかった。


今日ほど、目が見えなくて悲しかったことってないと思う。
翔ちゃんの顔が見たい。
翔ちゃんの表情が見たい。


「雪那?」

「見たかったな、翔ちゃんのこと」

「??」

「見えないの、全然。もう、人の輪郭も、光も」


この前から。

今までは感じられていた光すら、感じられなくなった。
どんなに近づいても、何も見えない。

ただ、闇だけが広がっている。