その時、足音がした。
聞き覚えのある音。
聞きたくなかった音。
ずっと避けていた音。
…まさか。
「愛梨、どうして。あなたが、連れてきたの…?」
「ごめんね。悪く思わないで。雪那のためだから」
止まった。
足音が、扉の前で。
「開けないでっ」
「雪那、ねぇ、素直になりなよ」
「愛梨は黙っててっ。ダメなの。会わないって、決めたの。会っちゃいけないの。わかってよ。最後にするから。最後の、わがままだから」
誰も、何も言わない。
「…雪那、うちは帰るから、二人でちゃんと話しなさい。明日は、学校、来るんだよ?」
「やだ。愛梨、開けないでっ」

