星空の下で

『大輔!明日はデート出来るの?』

『予定は未定だな。わかんねー。仕事次第だ』

『やっぱりそっか。まあしょうがないよね。大輔は忙しいもんね』

『優奈!俺と別れたかったから別れてもいいぞ。俺は女より仕事が大事なんだ。それが不満なら俺はお前に応えられない』

『不満じゃないよ!大輔はさー別れたいの?』

『別にどっちでもいい。俺はこういうめんどくさい話しをしなきゃならない事は嫌いだ』

『ごめん。私は大輔と居たいからいる!ただそれだけでいいよ!』

『あっそう。じゃあ俺寝るわ。疲れてるんだ』

『うん!ゆっくり休んで!私は仕事行ってくるね!』

『あぁー』

優奈とは恭一達と飲んだ二十歳の成人式後から付き合う事になったが正直俺達に愛があるのかはわからねー。慶太郎に偉そうな事を言えねーんだよな。優奈は中学の同級生だ。成人式で再会した恭一達と共に飲み会についてきた。俺も飲んだ勢いで付き合ったってのが本音だ。母ちゃんを見て育ったせいか女にたいしてめんどくさいと思ってしまう。慶太郎!俺も愛がよくわかんねーし幸せになんてする自信もねーよ。まず優奈に俺が惚れているのかさえ疑問だ?よくわからねー。別れたいなら別れても俺は困らねーし俺も恋愛に関してはさっぱりだな。俺は仕事をしてなきゃ何の価値もない男だ。かと言ってその日限りでいいとは思わなかったから多少優奈に興味を持っていたと言う事だよな。これは愛なのか?しかし束縛される事は嫌いだ。俺も相当身勝手なクズだよ慶太郎。あーねむてぇー。結城さん!愛ってなんすかね。あなたもあの時結婚はしていないと言っていましたよね。ただ息子がいると。慶太郎の事をずっと心配して生きてきたんすか?あなたは医者だったし顔だって悪くなく身長もあり女にモテなくはなかったはずでしょ?でも毎日忙しいって言ってましたよね。慶太郎の心配と仕事の忙しさに追われて生きたんすか?俺もあなたのように生きる可能性ありっすよね。俺は仕事の忙しさに追われてる方が余計な事を考えなくて済むしいいっす。それは逃げですか?俺は慶太郎を支え仕事がうまくいけばそれだけで十分幸せって言うか欲張ってるぐらいなんすかね?もちろん女にまったく興味がないわけじゃないっすよ。ただ生きるだけで精一杯だった俺だからあれもこれもなんて欲張って失うのを恐れているのかも知れないっすね。とにかく俺にとって慶太郎は親友であり俺の憧れたあなたの宝である事がわかった以上さらに失いたくない思いが強くなりました。俺が生きてる間は俺が支え守りたいんすよ。何よりも。俺の人生でのテーマは恩返しかなって最近思います。父ちゃんのへの親孝行の分も母ちゃんにしてやりたいですからね。死ぬまで働きますよ。慶太郎のおかげでバカな俺でも店を回していけるよう教えてくれたのはあいつですからね。あいつが努力してきたものを無駄にはしたくないです。

『もしもし?慶太郎?お疲れ!なんだよ』

『もしもし?大輔?お疲れ!えっとですねートライアンフの請求書って俺は貰いましたっけ?』

『はあ?渡したじゃねーか!また無くしたのか!』

『あーやっぱり。貰ったような気はしてたんすよ。すいません。控えあります?』

『あぁ。あるよ!お前はなんでもかんでも管理が悪すぎだ!』

『はい。わかってます。すいません。じゃあ控えをまた取りに行かせて頂きます!お疲れ!』

『あー。お疲れ!』

結城さん!慶太郎の躾はちゃんとしてたんですか?なんであいつはいつも管理が悪いすか?それによく忘れたってとぼけますよ。あなたが小学生だった慶太郎のそばにいたら違っていたんでしょうね。やっぱり俺も女より慶太郎が心配で気になってしょうがないっす。あなたもきっとこんな想いをしながら仕事に明け暮れていたんですかね。でもこんな人生も悪くないっすね。俺みたいな奴が誰かの支えになれるのならこの上ない幸せなのかも知れません。