chocolate cafe


 席替え時になり、
 席に配置したわけだったが....

「....なんで、碧瀬が後ろなの.......」

「桃乃が19番だって聞こえたから
 後ろの子と変えてもらっちゃった」

 ふふっと笑う碧瀬は
 いたずらに成功した子供のように
 無邪気な表情をしていた。

 
「あたしのこと、好きなの?」

「うん、好きだよ。可愛いから」

 碧瀬はさらっと言いのけると
 あたしの顔をじっと見つめながら
 幸せそうに微笑んだ。


 あたしはボンっと
 顔を真っ赤にして
 無防備な顔を晒してしまっていた。

 なんともみっともなくて恥ずかしい...


 そうは思っていても
 どうにも出来ないのも事実だ。


 予期していたとしても
 こういう言葉にはどうにも慣れない。

 少しでも平静を装おうと
 碧瀬に声をかける。

「...そんなことばかり言ってたら
 言葉に信用性がなくなるよ」

 チャラいと感じる理由は
 そういうものだろう。


 大切なことは言葉にしないと
 伝わらないけれど、
 言葉にし過ぎると
 伝わらなくなってしまうのだ。


特に、「好き」という言葉は。