「..悠くんっ!!おかえり!!」

 悠くんだと分かって、
 後ろに振り向いた。
 
 だって、悠くんの温もりだったから。

 
 懐かしくて優しい、
 悠くんの匂いがしたんだ。




 ももの大好きな悠くんの。


 

 悠くんはももが振り向くと、
 優しく微笑んで言ってくれた。


「...ただいま、もも」

 悠くんはそう言うと
 もう一度ももを抱き締めた。
 
 今度はさっきよりもずっと
 近くて、悠くんと密着している
 みたいだった。


 ももにはそれがなんだか
 恥ずかしく感じられた。




 だって、悠くんの心臓の音が
 聞こえてきて、
 悠くんの熱が伝わってきて、
 悠くんの吐息が耳に掛かるから、

 それがなんだかもどかしかった。




 そして、ゆっくりと躊躇うように
 ももを離してくれた。




 久しぶりに会う悠くんは
 いっぱい変わっていた。

 チョコレート色のふわふわした
 髪型になってて、
 背が180㎝を越すくらいになってて、
 すっごく格好良くなってて、
 大人の男の人みたいだった。

 
 ももの知らない人みたいだった。