この人のことを最初は少し、
怖いかなって思ってたんだけど...
そんなことはないかなって
今は何故だかそう思えるよ
だって、この人の背中は
不思議なくらいとても温かくて
ほのかに桜の香りがしていて
とても心地良かったから.....
その人はももに気を使ってのことか
少しずつ話しかけてくれた。
その人の声はとても落ちついていて
優しくて身体の中に溶け込むような
とても心地の良い甘い声だった。
そうやって、話をしていると
自然と不案が消えて
すっきりとした気持ちになれたんだ。
結局、その人のお陰で
十分時間に間に合ったのだった。
けれど、少し物足りなかった。
もう少し、この人と
話をしていたかっただなんて
無理だし我が儘だよね......
そう思っていると、
その人はももの顔を覗き込んでから
じゃあと言ってから、
「..ケー番交換しよ?」
ニコニコしながらそう言って
差し出したももの携帯を手にとり
赤外線の送受信をしていた。
それが終わるとももに携帯を
返してくれながら
画面をずいっと見せてきた。
「これ、俺のケー番とメアドだから
いつでもメールとかしてね
俺も適当に送ったりするからさ。
あと、お誘い楽しみにしてる」
その人はももがぼわあぁと
顔を真っ赤にしたのを見てから
優しくて甘い微笑みを零しながら
ももの顔に顔を近づけてきて
いきなり目を閉じて
もものおでこにキスを落としてきた。

