†††††††††††††††††††† 初夏。 ジメジメとした梅雨も終わり、太陽がよく顔を覗かせるようになった頃。 私たちを変えてしまう出来事の、先駆けとも言えるあの別れに、 幼い私たちは、まだ抗うことも出来ず、 また、それから先の出来事を、私はまったく予想出来ずにいた。 長い間続いていた、風の苦しみを、 この頃はまだ、知らなかったから。 「別れ 動き出す歯車」