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初夏。




ジメジメとした梅雨も終わり、太陽がよく顔を覗かせるようになった頃。





私たちを変えてしまう出来事の、先駆けとも言えるあの別れに、


幼い私たちは、まだ抗うことも出来ず、



また、それから先の出来事を、私はまったく予想出来ずにいた。




長い間続いていた、風の苦しみを、

この頃はまだ、知らなかったから。



「別れ 動き出す歯車」