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いつ降るかわからない雨に備えて、あたしは鞄には常に傘を入れている。少し大きめなのは、こういう時に用意をしていない空と一緒に帰るため。

「一本なら、あたしが持ってる」

傘を取り出して、空に見せた。

「僕も持ってるよ」

洋平が、折りたたみではない傘を取り出した。

「朝、ちゃんと天気予報見てきたから。夕方から雨ってね」

笑顔で、大きめの傘を開く。
なんだかんだで、この4人の中では彼が一番大人だ。

「で、どうする?」

4人に対して2本の傘を見つめ、あたしたちは互いを眺め見た。