君を追いかけた日々

「俊兄。」
「何だ?拓人。」
「姉ちゃんが、朝から龍兄とイチャイチャしてた。」
「なっ⁉なんてこと言うんだよ、馬鹿拓人っ‼」


何で、このシスコンすぎる馬鹿兄にそれを言うんだよ⁉


「…龍夜、殺す。」
「落ち着いてっ。お願いだから、落ち着いて‼」
「俺の大切な翼に触るなど許さん。」


あんたは、父親かっ!
って、つっこんでる場合じゃないっ!


「さんせーっ!」
「拓人っ!?」
「姉ちゃんに触るのやっぱ許さない。」


こっちもシスコンかよ!!
しかも、笑顔でいうなよ!!


「ご飯食べないと遅刻するっ!!」


もうこの二人は置いとこう。
うん、そうしよう。


「お母さん、ご飯。」
「お母さんは、ご飯じゃありません。」


何その、先生、トイレって言った小学生に先生が先生はトイレじゃありませんって返してる感!?


「ご飯早くっ!!」
「はいはい。」


「ごちそうさまっ!!」
「いってらっしゃい。」
「いってきまーすっ!!」


ぱっとカバンを掴み、玄関へ走る。


「姉ちゃん、いってらー。」


まだ、小学生は学校が始まってないらしく今日は休み。
私も休みたいな…なんて思いながら返す。


「いってきます!」
「翼、送ってやろーか?」
「送るって、俊兄は免許持ってないでしょ。」


まだ、高校生なんだから。


「だから、チャリ。にけつすればいいじゃん。」
「馬鹿兄とチャリでにけつは嫌だ。」


もちろん、いろんな意味で。


「ひど。」
「はいはい。いってきます‼」
「いってらっしゃい。」


手を少し振って玄関から出た。