君を追いかけた日々

今回のは特に特別だ。
言ったのが、龍夜じゃなかったら、あたしはキレてなかった。


「あ〜もうっ。」


どうしようもなく龍夜が好きだって気持ちが、一応女の子って発言にイライラさせた。
小さな頃から一緒にいるっていっても、好きな人である龍夜に言われると駄目だ。


「もっ…馬鹿じゃんか…。」


恋愛対象じゃないって、突きつけられたみたい。
知ってるのと、突きつけられるのとでは、全く違う。
好きすぎて、辛い…。
学校…行きたくないなぁ…。
休もっかな…?
ん…?学校…?
携帯を開いて日付を見る。
そこには…


「やばっ‼今日、始業式じゃんっ‼」


ハンガーにかけてある紺色のセーラー服を着て、赤いリボンをしっかりと結ぶ。
三年目となるこのセーラーも、大分様になっている…と思えた。
ショートの髪の毛をささっと整え、カバンをしっかりと持つ。


「よしっ。」


時間に余裕があることを確認して、朝ごはんを食べるためにリビングに行く。


「おっはよー‼お母さんっ‼」


リビングに入ると、キッチンで料理をしているお母さんに挨拶をした。


「おはよう。翼。今日は、いつもより遅いわね。」
「姉ちゃん、おはよー。」


ソファの背もたれの上に顔を乗せながら私に挨拶をしてくれる弟の拓人の姿に呆れながら挨拶を返す。


「おはよ、拓人。」
「なんだよ、その目。」
「別に。」
「朝から龍兄とイチャイチャしてたくせに。」
「はぁ⁉」


朝から何の勘違いだよ⁉拓人‼


「えっ⁉そうなの⁉」
「お母さんまで‼違うって‼」
「何事ー⁇」
「げっ‼」


兄である俊樹【としき】の登場に女の子としては、まずい声をあげた。


「翼ぁ。愛しの翼にそんな態度とられるとショックすぎる…。」
「黙って、馬鹿兄。」