料理教室の日になって小夏は朝から車で1時間ほどかかる緑の多い場所に来た。
一本道の脇には小川が流れ太陽に反射されてキラキラと輝いているのが車から見えた。
しばらく行くと赤い屋根の家が見えてきた。
家の周りにはラベンダー畑があり向かい側にある空き地に車を止めた。
坂井と書かれた表札を確認してベルを押すとドアがあく鈴の音が聞こえてきた。
「いらっしゃい、待っていましたよ。」
中へ入ると一匹の白黒猫が座ってお出迎えをしてくれた。
玄関の突き当たりに大きな部屋があってキッチンとダイニングがひとつになっている。
大きな窓ガラスは綺麗に磨きあげられ少し開いていた。
そこから風にのってラベンダーのいい香りがした。
「どうぞそこへかけて」
「はい」
「紅茶でいいかしら?」
「ええ、ありがとうございます。」
可愛らしいピンクの小花が描かれたティーカップに温かい紅茶が湯気とともに注がれた。
「今日はもう1人来る予定だったのだけど急用で来られなくなったから二人でゆっくりしましょう。小夏さんでいいかしら?」
「はい、あのなんとお呼びしたらいいですか?」
「わたし?そうね皆さんからはお母さんと言われているけどもうおばあさんだけどね」
「じゃあお母さんと呼びますね」



