「そんなぁ。」



「だけど、回復魔法位なら大丈夫だ。」



(こいつは魔力は少ないが回復は早い。)



「やったぁぁ!!」



リエルは大きく跳び跳ねた。



(よかった……すこしでもリオウの助けになれる。)



「じゃあ教えるぞ。まず、怪我をしている所に手をかざす、そして呪文を唱える。アル・クロス・ディア。次に、疲労の場合、すこし変えるだけだ。アル・クロス・ディア・ノース。」



「私にも出来そう。」



「練習しておけ、残りはまた今度教える。」



「うん。」


二人が花道を抜けると王都カナメスが見えてきた。



「えっ、何あれ。」



リエルはひどく困惑していた。



リエルが指指した先には第二の王都カナメスがあった。



「どうした?」



「いるの。誰か…呼んでる?」



リエルの目には大きな時計塔のてっぺんで自分を見て、手招きしている人の影が見えた。



「っ!!!?」



リエルの目が銀色に光って見える。



「りっ、リエル?」



「………いる。」