二人は小屋から出て、王都を離れていた。



周りでは春の草花が星のように輝いて見えた。



「見て見て、リオウ!!」



「なんだ?」



「すっごい綺麗よ、この花達!」



「っ!…綺麗だ。」



色とりどりの草花の中で、リエルが一際輝いて見えた。



「そうでしょ!!」



「フッ。……鈍いな。」



「ん?何か言った?」



リオウは首を横に振った。



二人が向かっているのは、もうひとつの王都カナメス。



カナメスはカルメスの王の双子の弟が治めているのだ。



王の二人は互いの考えの違いから国を二つに分けたのだそうだ。



「ねぇ、リオウ。私もリオウみたいに力が欲しい。」



「なっ何だと!?」



「正気なのか?」



リエルは小さく頷いた。



「はぁ〜。」



リオウは大きなため息を吐いた。



「……あんたは魔力が少ない、それに人間なんだ。」