ヒカリ

「おっ王女!?」



時計塔に見えた姿は蒼い瞳をした女性だった。



彼女はメスト、王都カナメスの王女。



「皆に知らせねばならぬことがある!!」



ザワザワッ



「我が父、王アーメルは昨夜病で死んだ。」



「!!!?」



「死んだって、じゃあ……。」



リエルがそう言いかけると……



「そうだな、この国に王はいない。」



「なら、この情報が漏れれば厄介なことになる♪」



リオウとガロウが言ったことは間違っていない。



リエルはそう思った。



王がいないとなれば、他国から攻められる危険がある。



王女は続けた。



「今日から私が、この国の女王となりこの国を守る。」



都民の困惑した声が聞こえる。



その声を耳に残し、王女は時計塔から姿を消した。



都民はだんだんと散り散りになり、もといた場所へ戻って行った。



しかし、さっきとは違い重苦しい空気が頭上を漂っている。