my existence sense-神が人を愛す時-










「あははは、でも平和は良いことだよ?」



「フンッ、こっちとしては仕事が減る。
戦の時はあちらの国こちらの国と依頼が来たが........お前の父親が戦を終結させてからはめっきり減った」



「まぁ戦争が終わってしまって君達に依頼する必要が無くなってしまったからね。
普段の生活、君達に―――君達のような殺し屋に依頼することなんて滅多に無いから」






―――殺し屋。
笑顔のまま話すキルファの口から物騒な言葉が溢れる。


君達のような殺し屋。
そんな言葉を向けるのは年端も行かぬ小さな女の子。
とても不釣り合いだった。










「お前の言う平和だという世界は私には生温くて居心地が悪い。

私は物心付く前から戦いや殺しの中に身を置いて生きてきた。
それ以外の生き方は知らないし、する気も無い。
刺激が足りないんだ、この"平和"だという今には」




そう。
女の子は、彼女は紛れも無くプロの殺し屋だった。

それもかなり名の通った凄腕の殺し屋。
その道を進む者の中ではメリルという名を知らない者は居ない程の十を越すか越さぬかの子供。女の子。
殺しの天才。








「そんな中でお前が神殺しを始めると聞いた。

..........平和に惚けたただの青二才と思っていたが、先代よりもずっと同じお前の方が世界の先を見ている。
神殺しとは、なかなか面白いことを考えてくれたものだ」



「あはは、もしかして褒めてくれているのかな?
嬉しいなぁ、君に褒められるなんて何だか照れちゃうよ!」



「...........。
まぁただの気違いという可能性もあるが。
だがまぁ楽しませてくれるというのなら私は何でも良い」





先程メリルは自らのことを王に招かれた要人であると言っていた。

..........。
ということは、だ。
つまり彼女はジーザスやバロン達の部隊に引き入れられた選ばれた者の一人ということ。








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