my existence sense-神が人を愛す時-












「入るぞ」



思いっきり部屋へと入ってから言う女の子。







ッ。







「やぁ、早かったね!
わぁ!会えて嬉しいよ、あははは」



「本当はもっと早く着いていた。
だが此処のどんくさい兵どもに邪魔されてな。

此処の兵の教育はどうなっている?
王に招かれた要人である私をどいつもこいつも子供扱いだ。
どうにも間の抜けた奴ばかり、あれで使い物になるのか?」



「まぁ君は実際子供だからなぁ。

彼等だってちゃんと働いてくれているよ?
ただ今は戦争が終着してちょっと気が緩んでいるだけさ」



「緩みすぎだ。
特に廊下でぶつかったヘニャヘニャした優男........見たところそれなりの位の者のようだったがまるで頼り無い。
ああいうのは戦場で足手纏いになる」



「ヘニャヘニャした優男?
うぅん、誰のことだろう?

まぁでも大丈夫だよ。
此処の兵達はやる時には必ずやってくれる者ばかりだから。
王様の僕が言うんだから間違いは無いでしょう?あはは」



「フンッ、やはりお前はまだ考えが甘いな」



「あははは、酷しいなぁ」




開かれた扉。
その先に広がる広い部屋に大きな影と小さな影。

.........。
此処は先程までジーザス達が居た王の間。
つまり、この部屋の中の大きな影はこの部屋の主であるキルファのもの。















「だけれど本当によかったよ。
メリル、君がこの件を快く引き受けてくれて」



そんなキルファは目の前の小さな影―――衛兵達を一瞬で伸して部屋へと侵入してきたメリルと呼ばれた女の子に話し掛ける。





「別に快くでは無いがな。
ただ絶好の暇潰しになると思っただけだ」



メリル。
そう呼ばれた女の子は見た目とは裏腹の一切可愛げも子供らしさも無い耳を疑うような言葉でキルファに返す。

見た目は完全に普通の女の子なのに。
会話を聞く限りこの子は絶対に普通の子供では無い。







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