追い掛けようとも思ったが衝撃で身体が動かなかった。
斬り捨てるぞ。
そう言う女の子の目に冗談の色は微塵も無く殺気さえ感じられて、追い掛けようものなら本気で斬り捨てられそうな気がした。
不覚ながらあんな子供の目に怯えた。
カツンッ。
「.................まぁ、大丈夫でしょう。
とりあえず部屋に戻りましょう」
茫然とした頭のままとりあえず自室に向かう。
迷子、いや迷子ではないのかもしれないがあの女の子のことは気になるが何となく大丈夫そうな気がした。
今は夜からの晩餐会、これから共に戦うことになるであろう仲間達との大切な初対面に備え少しでも身体を休めておかねば。
ッ。
ガチャッ.......ギィイッ。
「ふぅ.........」
ガチャンッ。
辿り着いた自室。
開いた扉を前に溜め息を深く一つだけ吐いて疲れたように中へと入っていった。
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