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「うぅん........別に構わないけど」
「え!?何を言っているんですか!キルファさん!?」
「まぁ確かに急な事だったからね、大事な用事なら仕方無いよ」
「さっすがはキルファ♪
俺の事よく判ってるぜぇ、じゃあ........」
「でも残念だよ、ジーザス折角一番に君に会わせたい子が居たのにな。
君達に引き会わせたいその何人かの一人なんだけれど.........艶やかな髪とぱっちりとした瞳に麗しい唇と整った肢体、そして簡単にはモノにならないような少しツンッとしたような仕草!
まさに君の好みだと思ったのだけ
れど――――」
「ッ!!!!」
「大切な初対面........あぁあっ!もしかしたら君の居ない間にその子が初めて会ったバロンに一目惚れしてしまうかもしれない!
バロンは女性を惹き付けるからねぇ。
あぁ、もしそうなったらもう君に入る隙は無い!そんな二人を横目に同じ部隊に居なくちゃいけないなんて、あぁあっ悲劇だね」
..........。
「なぁぁあっ!
..........ゴホンッ。何を言っているのですか?
私は忠実なる臣、王である貴方の計らいならば例え何があろうとも断る訳が無いではありませんかぁあっ!」
「あぁ、そうかい?
アハハ、それならよかったよ!」
わざとらしくキルファは身振り手振りも加えて言う。
長年の付き合い。
何も考えていないように見えるが、ちゃんとジーザスの生態を理解しているようである。
こう言えば必ず食い付いてくる。
その予想はまんまと当たり、ジーザスは思惑通り食い付き尻尾を振ってきた。
..........分かりやすい現金な男である。
「............確かにジーザスのことをよく判っていますね」
ッ。
「あ、バロンも大丈夫ってことだよね?
今はそのことを伝えたかっただけだから、夕方まで部屋に戻ってくれていていいよ?今日は朝早くから大変だっただろうからね。
じゃあまた夕方くらいになったら広間に来てくれるかい?
勿論僕も行くから、アハハハ」
「は、はい。
分かりました、キルファさん」
「御意っ!」

