決断をした四人の神々。
女神もその決断に頷く。
その決断に流れる女神の涙。
........。
だけれどやはりもうその涙は、世界に雨としては降り注がなかった。
「ノウェリス様........」
決断を下した神々と堕ちた神が対峙する。
二度目の世紀末を迎えた世界は青さを失い淀んだ灰色の空。
そんな空の元、愛故に狂ってしまった神に制裁が下される。
ッ。
「........ごめんなさい....エルドレ」
零れる女神の声。
そしてエルドレに向け解き放たれる眩い光。
「クッ.....」
ッ。
エルドレは動きを封じられ苦しそうに呻き地に伏せる。
攻撃が止み静かになる世界に彼の苦しそうな呼吸が響く。
「はぁ.....はあ.....。
どう....して、ノウェリスさ...ま.......」
地に這いつくばりノウェリスを見上げるエルドレの瞳は真っ直ぐだった。
真っ直ぐで純真で綺麗な少年の瞳だった。
「僕は......僕はただ貴方を....守りたかっただけなのに、ただ.....それだけなのにどうして―――」
.........。
女神は心が痛かった。
彼の純粋さが、彼が自分へと向ける一途な心を無下にすることが心苦しかった。
耐え難かった。哀しかった。
―――。
ッ。
「ッ!
ノウェリス様が、泣いて.....いる......。
誰.....誰だ、ノウェリス様を....哀しめている奴は.......うぐっ!」
彼を手を下す女神の目に流れるは涙。
彼女の美しい瞳から零れ頬を伝い地へと落ちるそれは地に這う彼に伝わる。
その涙にエルドレは動かぬ身体を必死に動かし彼女へ歩み寄ろうとする。
身体を引き摺ってでも彼女の元へ行こうとした。
彼には判らなかった。
女神の涙のその理由が。
どうして今自分がこんな状況になっているのかも、彼には判らなかった。
ただ彼は愛する人を救いたかった。
ただただそれだけで.......。
自分が狂気に走っていることにさえ彼には気が付けない。
一途で純粋すぎる心は彼をこんな状況にまで追い込んでも尚、ひたすら真っ直ぐで居させ続けた。
「............哀しませているのは.....貴方よ」
身体を引き摺り歩み寄ろうとするエルドレに女神は言葉を絞り出す。
ッ。
哀しい言葉。
彼女の言葉に彼の動きは止まる。
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