my existence sense-神が人を愛す時-












「――――。

僕達は一つになった。
...........だけれど所詮それは人という一つの種族の中の話であって世界全体を見れば何も変わっていない。

神なんていう不確かな存在を信じ切る他の種族達―――彼等も元を正せば僕達と同じ人だった。
神に従属し力を与えられ支配され自分達が本来は人であったことをまるで忘れている。
忘れさせられたんだ、神に。
元々僕達と同じ人であるという事実は彼等を支配する上では邪魔になるから」




「...........」




「君達は彼等が可哀想だとは思わない?
彼等は知らぬ間に神にとって都合の良い存在を押し付けられて、それに気付かぬままそんな神を敬いその身を捧げ従属している。

この世界の神達は傲慢だ。
元々は神でも何でもなくて女神から力を分け与えられたというだけなのに。
神と敬われているけれど彼等は本物じゃない紛い物の―――ただの偶像なのに」







人の中にも神を信じて毎日祈りを捧げる者も居れば神や宗教などに全く興味を持たない無神論者も居る。

実際、神を信じる者も信じない者もどんなことが神によってもたらされているか誰も知る由も無く、本当にこの世界に居る神と呼ばれるものたちが人が頭に思い描くような"全てを知り得て望めば何でも叶えてくれる全知全能の神"などという者か判らない。
本物であるかすら判らない。




キルファの言うことも正しいと言えば正しいのだ。

確かに神は不確かな存在。
それなのに彼等は神という名を翳すだけで敬われている。
この世界の神は創世の女神に分け与えられた神にしか持ち得ぬ不思議な力を持っていると聞くが、元々神がどのような力を持つ存在かも知らないのだからそれが神の力であると断定する術もない。

人によって勝手に神格化されたというのも否めないのだ。














「今この世界を一番乱しているのは神だ。
だからその根元を、神を排除する。

これが僕の考えなんだけれど、何処か間違っているかな?」



.........。






「言われてみりゃ何処も間違っちゃいねぇわなぁ」



「っ!ジーザスさん!?」








.