一輪だけの桜を見たとき、 私の脳裏に、記憶がよぎった。 ―――――――…… 『ねぇ、波留っ! 桜っ!凄いねっ!いっぱい散ってて前が見えないっ!』 『はいはい、危ないからそんなはしゃぐなってっ!』 『えへへーっ。 あ、ねぇっ、波留っ!』 『ん?』 『来年も、またこの桜並木見ようねっ!』 『…ばーか。』 『えっ!ひどっ!波留の方がばーかっ!!』 『ちげーよっ…、たく…