空は曇天。 3月の風は、まだ春には程遠く、 つん、と冷たい。 朝の10時だからか、 駅には人があんまりいない。 私は寒くて、手袋をしてない手と手を擦りあわせた。 寒いなぁ、早く、来い、ばか。 なんて思っていたら、 私がこんな思いまでして待っていた原因の人が走って、私のところに来た。 「波留。遅い。」 「ごめん。桜。」 私を待たせた原因の人。 原野 波留(ハラノハル)。 私の彼氏だ。 まだ…。